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不動産

2022年の不動産公示価格は上昇傾向!その背景と詳細を解説

2022年4月29日 金曜日

物件価格の参考値としても役立つ「公示価格」。

2021年は新型コロナウイルスの影響もあって全国的に下落傾向にありましたが、2022年の最新版ではどうなっているのでしょうか。

まずは公示価格の意味からおさらいしていきましょう。

不動産の公示価格とは

公示価格とは「公示地価(地価公示価格)」と「基準地価」を元にして公表される、土地の正常な価格のことを指します。

公示地価も基準地価も、国の公的機関が公表している日本各地の「土地の値段」です。

似たものに「路線価」がありますが、

  • 公示地価:国が主体となって調査し、適正な地価の目安とするために公表
  • 基準地価:都道府県が主体となって調査し、都市計画区域外のエリアも調査対象となる
  • 路線価:国税庁が主体となって調査し、相続税や贈与税算出のために決定する

と、調査主体や目的などがそれぞれで異なっています。

「土地の正常な価格=特殊な状況がない売買で成立する価格」を前提とする公示価格。

実際には「早く売りたい」「希望する学区に入るため、どうしてもそこに住みたい」といったさまざまな事情が絡んでくるため、「実勢価格(実際に取引が成立する価格)」は公示価格と異なることが一般的です。

2022年の公示価格は全国的に上昇傾向

そんな公示価格(公示地価)は、2021年の下落傾向から一転して上昇傾向に。

都心部と地方、また住宅地と商業地のそれぞれにおいて上昇が見られ、全国的に土地の価格が上昇しつつある(=不動産市場が活発化している)ことが伺えます。

▼エリア・用途ごとの公示地価対前年平均変動率(国土交通省「令和4年地価公示」より)

※:数値の単位(%)は省略

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国的に公示地価が下落した2021年。

とりわけ都心部の商業地における下落幅が目立っていました。

外出自粛や県をまたいでの移動が制限されたことなどを受け、店舗やオフィスの賃貸需要、ホテル需要などが減退したことが大きく影響したものと考えられます。

住宅地の公示価格も全体的に下落していますが、「東京23区」と「三大都市圏以外の地方」の下落幅に大きな差がないことにご注目。

メディアでは盛んに「テレワーク普及による地方移住の増加」「東京過疎化」が取り上げられていましたが、都内・地方の公示地価が共に同程度下落していることから、新型コロナウイルスによる不動産市場の低迷は都内にかぎった話ではなかったことが分かります。

2022年には全エリア・用途で公示地価が上昇傾向にありますが、とりわけ東京23区の住宅地における上昇幅が際立っています。

新型コロナウイルスの影響からいち早く抜け出したことを鑑みても、通勤通学に便利で商業施設も充実している東京都内の公示地価は、今後も安定した推移を見せると予測されます。

2022年公示価格(公示地価)上昇エリア

では、そんな都内でもとりわけ公示地価が上昇しているエリア(=注目が集まっているエリア)はどこでしょうか。

前出の国土交通省発表の「令和4年地価公示」より、東京都内における公示地価上昇率TOP5をピックアップしました。

▼国土交通省「令和4年地価公示」内 第8表 東京圏の市区の対前年平均変動率より

同じTOP5でも、住宅地と商業地では大きく顔ぶれが異なる結果になっています。

住宅地においては、中央区や豊島区などに続いて都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)の上昇率も2.2%と高く、都心部に近いほど地価上昇率が高い傾向が見られます。

テレワークの浸透などに伴う住環境の見直しや、富裕層を中心とした都心・隣接区の高級マンション需要が地価を押し上げている要因と考えられます。

商業地においては、都心からやや離れたエリアが多くランクイン。

一方で、中央区(▲1.3%)、千代田区(▲1.2%)、港区(▲0.3%)と都心3区では一律して下落しており、都心と近郊部で明暗が分かれる結果となりました。

都心の商業地よりも家の近くで消費する傾向が強まったことを受け、居住地周辺の地価が上昇しているものと考えられます。

まとめ

公示価格の変動を見ても、依然として安定の人気を誇る都内エリア。

公示価格が上昇すると家賃相場も上昇するため、家賃収入を得るという点では大きなメリットがあるといえます。

しかし、その一方で物件価格自体も上昇してしまうため、不動産を購入することが困難になってしまうことも考えられます。

都内の不動産は今後も高い人気が予測されるため、物件価格が高騰してしまう前に、ぜひ憧れの都内物件を検討してみてはいかがでしょうか。